軍事オタクとしての行動
2012年10月11日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (1)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人B(今回は女性という設定):一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
TVでニュースを見ている二人
一般人B「あ、戦車だ~。こうして見るとすごい大きいねー」
Gallia君「いや、あれは戦車じゃないよ。ブラッドレーM2歩兵戦闘車だね。後部に兵士を載せる事ができるんだ」
一般人B「・・・ あ、今度は戦闘機だー」
Gallia君「いや、あれはF-2支援戦闘機だね。戦闘機ではなくて厳密には支援戦闘機っていって、対艦ミサイルを4発も積める実質的な対艦攻撃機なんだよ」
一般人B「・・・」
~その後、Gallia君は一般人Bさんに嫌われてしまいました~
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。
さて、今回のGallia君、情報の正誤でいえば間違った事は言ってはいないのですが、行動としては明らかに間違いを犯しています。一般人は軍事知識に触れ合う機会は殆ど無く、Gallia君のように理解できない単語や知識をひけらかしても一般人は理解できない上にとても嫌がります。
日本では過去に行き過ぎた平和志向から、軍事に関わる事は忌み嫌われていました。それと同様に軍事オタクは何を考えているのかわからない気味の悪い存在として扱われていた時期もありました。現在では少しずつ軍事に対する偏見も収まりつつあり、そういった方々への偏見も薄れつつありますが、いまでも一般人が軍事知識を有する事は皆無であり、オタクとは気味の悪い存在である事にはかわりありません。(ちなみに女性が嫌いな男性の趣味といったようなアンケートでは、たいてい上位に軍事趣味がランクインします。)
今回のGallia君は間違いを正そうとするあまりに空気を読まず、対人関係を損なうだけではなく軍事オタク全体のイメージを悪化させる結果となってしまっています。必ずしも間違いを正す事が正しい結果に繋がるとはかぎらないのです。私自身、一にわか軍事オタクではありますがこういった行為は前述の通り軍事オタク全体のイメージの悪化につながりますので、できるだけ謹んで欲しい行為です。
軍事オタクとして、特に害となりそうになければ無理に一般人の方々の間違いを正そうとせずに、座して静観する事も大事なのです。もちろん質問をされて答える分には構わないのですが、そういった場合でもできるだけややこしい言葉を使わずにわかりやすい説明をする事が正しい軍事オタクの行動だと思います。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人B(今回は女性という設定):一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
TVでニュースを見ている二人
一般人B「あ、戦車だ~。こうして見るとすごい大きいねー」
Gallia君「いや、あれは戦車じゃないよ。ブラッドレーM2歩兵戦闘車だね。後部に兵士を載せる事ができるんだ」
一般人B「・・・ あ、今度は戦闘機だー」
Gallia君「いや、あれはF-2支援戦闘機だね。戦闘機ではなくて厳密には支援戦闘機っていって、対艦ミサイルを4発も積める実質的な対艦攻撃機なんだよ」
一般人B「・・・」
~その後、Gallia君は一般人Bさんに嫌われてしまいました~
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。
さて、今回のGallia君、情報の正誤でいえば間違った事は言ってはいないのですが、行動としては明らかに間違いを犯しています。一般人は軍事知識に触れ合う機会は殆ど無く、Gallia君のように理解できない単語や知識をひけらかしても一般人は理解できない上にとても嫌がります。
日本では過去に行き過ぎた平和志向から、軍事に関わる事は忌み嫌われていました。それと同様に軍事オタクは何を考えているのかわからない気味の悪い存在として扱われていた時期もありました。現在では少しずつ軍事に対する偏見も収まりつつあり、そういった方々への偏見も薄れつつありますが、いまでも一般人が軍事知識を有する事は皆無であり、オタクとは気味の悪い存在である事にはかわりありません。(ちなみに女性が嫌いな男性の趣味といったようなアンケートでは、たいてい上位に軍事趣味がランクインします。)
今回のGallia君は間違いを正そうとするあまりに空気を読まず、対人関係を損なうだけではなく軍事オタク全体のイメージを悪化させる結果となってしまっています。必ずしも間違いを正す事が正しい結果に繋がるとはかぎらないのです。私自身、一にわか軍事オタクではありますがこういった行為は前述の通り軍事オタク全体のイメージの悪化につながりますので、できるだけ謹んで欲しい行為です。
軍事オタクとして、特に害となりそうになければ無理に一般人の方々の間違いを正そうとせずに、座して静観する事も大事なのです。もちろん質問をされて答える分には構わないのですが、そういった場合でもできるだけややこしい言葉を使わずにわかりやすい説明をする事が正しい軍事オタクの行動だと思います。
ゼークトの格言
2011年9月18日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (2)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい。将校は4つ分類できるという話。」
一般人「へー。どんなタイプに分類できるんだい?」
Gallia「これはドイツの軍人である、ハンス・フォン・ゼークトという人物が残した格言だね。」
一般人「勤勉で無能なタイプが一番問題なんだ?」
Gallia「そうだね。勤勉で無能なタイプというは、よく働く分、次々と問題を起こしてしまうからなんだ」
一般人「有能で怠惰なタイプが一番優秀?」
Gallia「優秀というか、司令官向きということだね。有能な怠け者というのは自分が楽をするために最大限の努力をするからだ。」
一般人「へぇー。おもしろい話だねぇ」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
さて、いきなりのネタバレになりますが今回の記事の元ネタはこちらとなります。
細部に多少の変化はあるものの、Gallia君の言う4つのタイプに分類できるという話は、日本ではしばしばゼークトの格言として紹介されるものです。しかし、こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートにもある通り、この格言はゼークトではなくハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものというのが正しいようです。
簡単に調べてみたところ
ドイツ語版、英語版、どちらの項目にも4つのタイプに分類する話はありません。
ではハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目で検索してみると。
両方の項目にも4つタイプに分類する話がでてきます。また、軍事板条件問題&良レス機構にも同様の記述があります。
これらから、軍人を4つのタイプに分類するという話はゼークトによるものではなく、ハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものである可能性が非常に高いです。したがって、冒頭のGallia君の発言はまたしても間違いであると思われます。
(※Gallia君は架空のキャラクターです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。)
余談ですが、この話を知っていた自分がライトノベルの神様のメモ帳7巻を読んでいたところ、88ページにゼークトの格言として4つのタイプに分類できる話が掲載されているのを見ておもわずずっこけそうになりました。広く知られている事だからこそ、今一度確認のために調べてみることの重要性を再確認した次第です。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい。将校は4つ分類できるという話。」
一般人「へー。どんなタイプに分類できるんだい?」
将校には4つのタイプがある.
第一に,怠惰で無能なタイプ.これは放っておいても害にはならない.
第二に,勤勉で有能なタイプ.このタイプはどんな細かいことでもきちんと分析する優秀な参謀になる.
第三に,勤勉で無能なタイプ.このタイプがいちばん始末に負えないので,即座に除隊を命じなければならない.
第四に有能で怠惰なタイプ.このタイプを最高の位につけるのがよい.
Gallia「これはドイツの軍人である、ハンス・フォン・ゼークトという人物が残した格言だね。」
一般人「勤勉で無能なタイプが一番問題なんだ?」
Gallia「そうだね。勤勉で無能なタイプというは、よく働く分、次々と問題を起こしてしまうからなんだ」
一般人「有能で怠惰なタイプが一番優秀?」
Gallia「優秀というか、司令官向きということだね。有能な怠け者というのは自分が楽をするために最大限の努力をするからだ。」
一般人「へぇー。おもしろい話だねぇ」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
さて、いきなりのネタバレになりますが今回の記事の元ネタはこちらとなります。
軍人の資質に関する格言について
http://togetter.com/li/181805
こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートより
細部に多少の変化はあるものの、Gallia君の言う4つのタイプに分類できるという話は、日本ではしばしばゼークトの格言として紹介されるものです。しかし、こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートにもある通り、この格言はゼークトではなくハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものというのが正しいようです。
簡単に調べてみたところ
○ドイツ語版Wikipediaによるハンス・フォン・ゼークトの項目
http://de.wikipedia.org/wiki/Hans_von_Seeckt
○英語版Wikipediaによるハンス・フォン・ゼークトの項目
http://en.wikipedia.org/wiki/Hans_von_Seeckt
ドイツ語版、英語版、どちらの項目にも4つのタイプに分類する話はありません。
ではハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目で検索してみると。
○ドイツ語版Wikipediaによるクルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目
http://de.wikipedia.org/wiki/Kurt_von_Hammerstein-Equord
○英語版Wikipediaによるクルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目
http://en.wikipedia.org/wiki/Kurt_von_Hammerstein-Equord
両方の項目にも4つタイプに分類する話がでてきます。また、軍事板条件問題&良レス機構にも同様の記述があります。
軍事板条件問題&良レス機構様より
【質問】
「無能な働き者」というのは誰が言い出した言葉なのか?
http://mltr.ganriki.net/faq12c05.html#02791
これらから、軍人を4つのタイプに分類するという話はゼークトによるものではなく、ハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものである可能性が非常に高いです。したがって、冒頭のGallia君の発言はまたしても間違いであると思われます。
(※Gallia君は架空のキャラクターです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。)
余談ですが、この話を知っていた自分がライトノベルの神様のメモ帳7巻を読んでいたところ、88ページにゼークトの格言として4つのタイプに分類できる話が掲載されているのを見ておもわずずっこけそうになりました。広く知られている事だからこそ、今一度確認のために調べてみることの重要性を再確認した次第です。
ジャベリンが上昇する理由
2011年5月22日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (1)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「あれ?今何をやったんだい?」
Gallia「うん?」
一般人「ミサイルを撃ったんだよね?何か変な方向に飛んでいったような・・・」
Gallia「ああ、これはジャベリンっていう対戦車ミサイルだね」
一般人「戦車を倒すためのミサイル?」
Gallia「そうだよ。ジャベリンっていうのは発射した時に一旦上昇するんだ」
一般人「へー。まっすぐ飛ばないで一旦上に飛ぶんだね」
Gallia「そう。戦車っていうのは正面はすごく厚い装甲になってるんだ。でも正面は厚くても上面は薄い。だから確実に倒すために一旦上昇して装甲の薄い上面を狙うんだ。」
一般人「へぇー。まわりくどいようだけどそっちのほうが確実なんだねー」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
(補足・ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。正直、名前はなんでもよくてケニカル君でも木村さんでもいいのですが、なんとなくGallia君からスタートしてしまったのでそのまま使っています。)
ところで文中に登場するジャベリンとは FGM-148 Javelin の事をさしています。
参考の動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=S3iA5KCa16s
ついでに01式軽対戦車誘導弾の動画も貼っておきます
http://www.youtube.com/watch?v=TL5tzzIWQb4
少々BGMがうるさいかもしれませんが、どう飛んでいるのかがわかりやすいかと思います。
さて、今回のGallia君、別段、間違った事を言っているわけではないのでにわか軍事オタクとは呼べないのですが、装甲の薄い上面部分へ当てるため、という説明だけでは少々説明不足と言わざるをえません。たしかにこういった対戦車ミサイルは、装甲の進化にともない正面へ当てても効果が薄いケースが増えているため上面を狙うといった理由もあるのですが、一度上昇をする理由は他にもあるのです。
では説明へ入る前に予備知識として簡単に戦車の動きに関して、
戦車とは機動・火力・装甲といった走・攻・守 三拍子揃った兵器であるのはご存知の通りかと思います。反面視界が狭く、歩兵の援護が必要不可欠とされています。しかし戦車は攻撃側でも防御側でも重要な戦力ですので、そうおいそれとやられるわけにはいきません。そのため戦車は通常、できるだけ長時間、自身の姿を晒さないように身を隠しながら移動します。建物や森林の外縁部といった掩蔽物を利用したり、稜線射撃を行いながら敵に位置を補足されないよう、行動します。稜線射撃とは稜線を前にして相手側正面から見た場合、砲身と砲塔の一部しか見えない状態で射撃する事を言います。この体勢を通称、ハルダウンと言います。その他にも陣地造営の時間的余裕が許される場合、戦車用の塹壕を掘ったり、偽装を施したりします。リアリズムと防衛を学ぶ様に簡単な解説がありましたので紹介させていただきます。
このように、映画では雄々しく前進する姿を描写されがちな戦車ですが、実際にはどちらかというとこそこそと用心深く、慎重に行動するのが普通です。
さて、話は戻りますが従来の直進するタイプの携帯式対戦車ミサイルの場合、至近距離で撃った場合は別として、どうしても発射から着弾までほんのわずかですが時間がかかってしまいます。こういった兵器は発射した瞬間派手な噴煙を上げるので戦車側は素早く察知し、稜線や掩蔽物の影に隠れたりします。ところが FGM-148 Javelin のように一旦上昇するミサイルに対しては身を隠す手段が限定されているので回避が非常に難しくなります。Javelinが一旦上昇する理由は装甲の薄い上面を狙うだけでなく、相手側の回避が困難であるという理由もあるのです。
冒頭のGallia君はJavelinが一旦上昇するのは装甲の薄い上面を狙うためと解説しました。しかしそれ以外にも理由はあるのですが、Gallia君は一度身につけた知識に満足してしまい、それ以外にも理由がないかという探究心を失ってしまったのです。軍事という世界は非常に保守的で、従来と違うやり方へと変化する場合、必ず多角的視点からメリットとデメリットを天秤に掛けて判断します。そこにある理由はひとつだけでなく複数あるのが普通です。冒頭のGallia君のような過ちを犯さないためにも、ひとつの理由に満足せずに、様々な視点から知識を身につけていくべきなのです。偏った知識ばかりになっていまうと、それじゃあ理解したことにはならないよと笑われてしまっても仕方のない事なのです。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「あれ?今何をやったんだい?」
Gallia「うん?」
一般人「ミサイルを撃ったんだよね?何か変な方向に飛んでいったような・・・」
Gallia「ああ、これはジャベリンっていう対戦車ミサイルだね」
一般人「戦車を倒すためのミサイル?」
Gallia「そうだよ。ジャベリンっていうのは発射した時に一旦上昇するんだ」
一般人「へー。まっすぐ飛ばないで一旦上に飛ぶんだね」
Gallia「そう。戦車っていうのは正面はすごく厚い装甲になってるんだ。でも正面は厚くても上面は薄い。だから確実に倒すために一旦上昇して装甲の薄い上面を狙うんだ。」
一般人「へぇー。まわりくどいようだけどそっちのほうが確実なんだねー」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
(補足・ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。正直、名前はなんでもよくてケニカル君でも木村さんでもいいのですが、なんとなくGallia君からスタートしてしまったのでそのまま使っています。)
ところで文中に登場するジャベリンとは FGM-148 Javelin の事をさしています。
参考の動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=S3iA5KCa16s
ついでに01式軽対戦車誘導弾の動画も貼っておきます
http://www.youtube.com/watch?v=TL5tzzIWQb4
少々BGMがうるさいかもしれませんが、どう飛んでいるのかがわかりやすいかと思います。
さて、今回のGallia君、別段、間違った事を言っているわけではないのでにわか軍事オタクとは呼べないのですが、装甲の薄い上面部分へ当てるため、という説明だけでは少々説明不足と言わざるをえません。たしかにこういった対戦車ミサイルは、装甲の進化にともない正面へ当てても効果が薄いケースが増えているため上面を狙うといった理由もあるのですが、一度上昇をする理由は他にもあるのです。
では説明へ入る前に予備知識として簡単に戦車の動きに関して、
戦車とは機動・火力・装甲といった走・攻・守 三拍子揃った兵器であるのはご存知の通りかと思います。反面視界が狭く、歩兵の援護が必要不可欠とされています。しかし戦車は攻撃側でも防御側でも重要な戦力ですので、そうおいそれとやられるわけにはいきません。そのため戦車は通常、できるだけ長時間、自身の姿を晒さないように身を隠しながら移動します。建物や森林の外縁部といった掩蔽物を利用したり、稜線射撃を行いながら敵に位置を補足されないよう、行動します。稜線射撃とは稜線を前にして相手側正面から見た場合、砲身と砲塔の一部しか見えない状態で射撃する事を言います。この体勢を通称、ハルダウンと言います。その他にも陣地造営の時間的余裕が許される場合、戦車用の塹壕を掘ったり、偽装を施したりします。リアリズムと防衛を学ぶ様に簡単な解説がありましたので紹介させていただきます。
リアリズムと防衛学を学ぶ様より
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20091027/1256578214
なぜ日本に戦車が必要か?part2 日本の地形と戦車
後半に稜線射撃についての解説があります。
このように、映画では雄々しく前進する姿を描写されがちな戦車ですが、実際にはどちらかというとこそこそと用心深く、慎重に行動するのが普通です。
さて、話は戻りますが従来の直進するタイプの携帯式対戦車ミサイルの場合、至近距離で撃った場合は別として、どうしても発射から着弾までほんのわずかですが時間がかかってしまいます。こういった兵器は発射した瞬間派手な噴煙を上げるので戦車側は素早く察知し、稜線や掩蔽物の影に隠れたりします。ところが FGM-148 Javelin のように一旦上昇するミサイルに対しては身を隠す手段が限定されているので回避が非常に難しくなります。Javelinが一旦上昇する理由は装甲の薄い上面を狙うだけでなく、相手側の回避が困難であるという理由もあるのです。
冒頭のGallia君はJavelinが一旦上昇するのは装甲の薄い上面を狙うためと解説しました。しかしそれ以外にも理由はあるのですが、Gallia君は一度身につけた知識に満足してしまい、それ以外にも理由がないかという探究心を失ってしまったのです。軍事という世界は非常に保守的で、従来と違うやり方へと変化する場合、必ず多角的視点からメリットとデメリットを天秤に掛けて判断します。そこにある理由はひとつだけでなく複数あるのが普通です。冒頭のGallia君のような過ちを犯さないためにも、ひとつの理由に満足せずに、様々な視点から知識を身につけていくべきなのです。偏った知識ばかりになっていまうと、それじゃあ理解したことにはならないよと笑われてしまっても仕方のない事なのです。
一方、ロシアは鉛筆を使った
2010年11月24日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (2)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい?」
一般人「うん?」
Gallia「アメリカのNASAが宇宙飛行士を宇宙へ送り出した時の話さ」
一般人「ふむふむ」
Gallia「この時、NASAは無重力状態ではボールペンが使えない事を発見したんだ。」
一般人「無重力だとボールペンが使えないんだね。」
Gallia「このままだとボールペンが使えない、ということでNASAは10年の歳月と120億ドルもの費用をかけてこの問題に取り組んだ。」
一般人「すごい費用がかかってるんだね・・・でも宇宙で字が書けないならなんとかしないとね。」
Gallia「でもその甲斐あって、宇宙空間どころか水中だろうとどこにでも書けるペンが出来た。」
一般人「問題は解決したんだね~」
Gallia「でも一方、ロシアでは鉛筆を使ってた」
一般人「ありゃ、なんだ最初から鉛筆を使ってればいいのか」
Gallia「コロンブスの卵みたいな話だけどね。10年と120億ドルを使っておいて鉛筆で済んだ話なんだ」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、今回の話もフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。上記の話はインターネット上で散見される、一方ロシアでは鉛筆を使った、と言われる話です。コロンブスの卵のような意味合いで解釈されていますが、当然ながら今回のGallia君も決定的な間違いを犯しています。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=772&bih=572&q=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AF%E9%89%9B%E7%AD%86%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=g1g-m1&aql=&oq=&gs_rfai=
上記のように検索してみるとわかることなのですが、今回の場合は幸いな事に検索をしてみるだけで割と簡単に真相にたどり着く事ができます。
こちら
http://history.nasa.gov/spacepen.html
記事の内容から、NASAの宇宙飛行士も最初の頃は鉛筆を使っていた事がわかります。ロシアでも後年、Fisher社のペンを採用しているようです。このように広く伝わる話と真相は違う場合が非常に多いのです。(これは現実の噂話でもインターネット上の話でも同じです。)ただし、インターネットには検索機能がありますので、その場で調べる事が可能です。上記のGallia君のような過ちをおかさぬよう、気になったことはまず検索して調べてみる、という事を心がけて置く事は非常に重要な事です。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい?」
一般人「うん?」
Gallia「アメリカのNASAが宇宙飛行士を宇宙へ送り出した時の話さ」
一般人「ふむふむ」
Gallia「この時、NASAは無重力状態ではボールペンが使えない事を発見したんだ。」
一般人「無重力だとボールペンが使えないんだね。」
Gallia「このままだとボールペンが使えない、ということでNASAは10年の歳月と120億ドルもの費用をかけてこの問題に取り組んだ。」
一般人「すごい費用がかかってるんだね・・・でも宇宙で字が書けないならなんとかしないとね。」
Gallia「でもその甲斐あって、宇宙空間どころか水中だろうとどこにでも書けるペンが出来た。」
一般人「問題は解決したんだね~」
Gallia「でも一方、ロシアでは鉛筆を使ってた」
一般人「ありゃ、なんだ最初から鉛筆を使ってればいいのか」
Gallia「コロンブスの卵みたいな話だけどね。10年と120億ドルを使っておいて鉛筆で済んだ話なんだ」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、今回の話もフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。上記の話はインターネット上で散見される、一方ロシアでは鉛筆を使った、と言われる話です。コロンブスの卵のような意味合いで解釈されていますが、当然ながら今回のGallia君も決定的な間違いを犯しています。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=772&bih=572&q=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AF%E9%89%9B%E7%AD%86%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=g1g-m1&aql=&oq=&gs_rfai=
上記のように検索してみるとわかることなのですが、今回の場合は幸いな事に検索をしてみるだけで割と簡単に真相にたどり着く事ができます。
こちら
http://history.nasa.gov/spacepen.html
記事の内容から、NASAの宇宙飛行士も最初の頃は鉛筆を使っていた事がわかります。ロシアでも後年、Fisher社のペンを採用しているようです。このように広く伝わる話と真相は違う場合が非常に多いのです。(これは現実の噂話でもインターネット上の話でも同じです。)ただし、インターネットには検索機能がありますので、その場で調べる事が可能です。上記のGallia君のような過ちをおかさぬよう、気になったことはまず検索して調べてみる、という事を心がけて置く事は非常に重要な事です。
※この物語はフィクションです。
2010年5月20日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (1)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「この銃の先端についてるのって何?」
Gallia「これはサイレンサーっていうやつだね」
一般人「へーこれつけるとどうなるの?」
Gallia「音がでなくなるよ。撃ってもプシュってしか音しないでしょ?」
一般人「ほんとだ。これって現実にもあるの?」
Gallia「あるよ。狙撃銃につけて敵地に潜入する特殊部隊なんかもいるね」
一般人「へーすごいなぁ」
Gallia「それで撃たれると音がしないからどこから撃たれてるかわからないんだよね」
一般人「へぇえー」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、この話は当然ながらフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。
ところで上記のGallia君は決定的な勘違いをしています。Gallia君はサイレンサー(消音器)は、(現在ではサイレンサーという名称を使わずにもっぱらサプレッサー(減音器)という名称を用います。)、これをつけるだけで銃声がでなくなるシロモノと思っているようですが現実ではそんなことはありません。
現実の世界では、発砲する際に発する音は大きく二種類あります。(金属がスライドする音等もありますが今回では除外)
一つが薬室内部で銃弾にこめられた装薬が燃焼(爆発)する際に発生する音
二つ目が弾丸が音速を超えて飛翔する際に発生するソニックウェーブと呼ばれる音
サプレッサーがもたらす効果は、前者の装薬が燃焼する際に発生する音の高音域を抑えるものです。つまり、ただ単純に銃にサプレッサーを装着しただけでは映画やゲームのようなまったく発砲音が聞こえない、というような状況は起こりません。そのような状況を作るには弾丸の初速が音速を超えないように、弾丸を重くするか装薬を減らして初速が音速を超えないように調節する必要があるわけです。これをサブソニック弾と呼びます。
詳しく解説されてる動画がこちら
http://www.youtube.com/watch?v=wk5FzWQjZUc
しかしGallia君は何故サプレッサーを銃に装着するだけで銃声を大幅にカットできると勘違いしていたのでしょうか。実はこのGallia君、ゲームメーカーコナミが制作した メタルギアソリッドシリーズ を過去にプレイし、ゲーム中に登場するアイテム、サプレッサーを銃と組み合わせて発砲音を消しているシーンを見てそう思い込んでいるのでした。ゲームでは所持している銃に入手したサプレッサーを装着する事によって発砲しても音がほとんどでなくなるという描写があります。ちなみに狙撃銃につけて~というくだりは別のゲーム Call of Duty 4 で兵士がサプレッサーを装着した狙撃銃を用いて敵地に潜入するシーンがあります。ニコニコ動画になりますが参考のシーンがこちら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2309894
(※視聴にはニコニコ動画アカウント必要になります)
(ちなみに現実世界において狙撃銃にサプレッサーを装着する例は、発射位置の秘匿性を高めるために装着する例、訓練時に射手の聴覚保護のために装着する例等があります。)
ところで、両ゲームでは当然のごとくお決まりの この物語はフィクションです~というくだりがあります。あくまでゲーム上で演出された事でゲーム中でもそう断っているのでなんら問題はありません。映画も同様です。
そんなわけでゲームはゲームであると、映画は映画であってフィクションであると割りきっていないと上記のGallia君のように演出を本当にあると勘違いしています。もしくはゲームや映画でこのような描写があったがこれらは本当に可能なのか、自分で調べなければならないわけです。
おしまい。
※上記のGallia君は架空の人物です。実在のGallia君とは一切の関係がありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「この銃の先端についてるのって何?」
Gallia「これはサイレンサーっていうやつだね」
一般人「へーこれつけるとどうなるの?」
Gallia「音がでなくなるよ。撃ってもプシュってしか音しないでしょ?」
一般人「ほんとだ。これって現実にもあるの?」
Gallia「あるよ。狙撃銃につけて敵地に潜入する特殊部隊なんかもいるね」
一般人「へーすごいなぁ」
Gallia「それで撃たれると音がしないからどこから撃たれてるかわからないんだよね」
一般人「へぇえー」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、この話は当然ながらフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。
ところで上記のGallia君は決定的な勘違いをしています。Gallia君はサイレンサー(消音器)は、(現在ではサイレンサーという名称を使わずにもっぱらサプレッサー(減音器)という名称を用います。)、これをつけるだけで銃声がでなくなるシロモノと思っているようですが現実ではそんなことはありません。
現実の世界では、発砲する際に発する音は大きく二種類あります。(金属がスライドする音等もありますが今回では除外)
一つが薬室内部で銃弾にこめられた装薬が燃焼(爆発)する際に発生する音
二つ目が弾丸が音速を超えて飛翔する際に発生するソニックウェーブと呼ばれる音
サプレッサーがもたらす効果は、前者の装薬が燃焼する際に発生する音の高音域を抑えるものです。つまり、ただ単純に銃にサプレッサーを装着しただけでは映画やゲームのようなまったく発砲音が聞こえない、というような状況は起こりません。そのような状況を作るには弾丸の初速が音速を超えないように、弾丸を重くするか装薬を減らして初速が音速を超えないように調節する必要があるわけです。これをサブソニック弾と呼びます。
詳しく解説されてる動画がこちら
http://www.youtube.com/watch?v=wk5FzWQjZUc
しかしGallia君は何故サプレッサーを銃に装着するだけで銃声を大幅にカットできると勘違いしていたのでしょうか。実はこのGallia君、ゲームメーカーコナミが制作した メタルギアソリッドシリーズ を過去にプレイし、ゲーム中に登場するアイテム、サプレッサーを銃と組み合わせて発砲音を消しているシーンを見てそう思い込んでいるのでした。ゲームでは所持している銃に入手したサプレッサーを装着する事によって発砲しても音がほとんどでなくなるという描写があります。ちなみに狙撃銃につけて~というくだりは別のゲーム Call of Duty 4 で兵士がサプレッサーを装着した狙撃銃を用いて敵地に潜入するシーンがあります。ニコニコ動画になりますが参考のシーンがこちら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2309894
(※視聴にはニコニコ動画アカウント必要になります)
(ちなみに現実世界において狙撃銃にサプレッサーを装着する例は、発射位置の秘匿性を高めるために装着する例、訓練時に射手の聴覚保護のために装着する例等があります。)
ところで、両ゲームでは当然のごとくお決まりの この物語はフィクションです~というくだりがあります。あくまでゲーム上で演出された事でゲーム中でもそう断っているのでなんら問題はありません。映画も同様です。
そんなわけでゲームはゲームであると、映画は映画であってフィクションであると割りきっていないと上記のGallia君のように演出を本当にあると勘違いしています。もしくはゲームや映画でこのような描写があったがこれらは本当に可能なのか、自分で調べなければならないわけです。
おしまい。
※上記のGallia君は架空の人物です。実在のGallia君とは一切の関係がありません。