自走砲はなぜ自走するのか 前編
2015年11月30日 軍事・政治 自走砲、自走する砲と書いて自走砲。さて、自走砲とはいったいどのようなものなのでしょうか。それはズバリ自走する砲です。そのまんまですね。はい。
冗談はさておき、自走砲とは砲を自走させたもの、という事は砲を自走させる必要があるために自走砲というものが誕生しました。それではなぜ自走砲が作られたのか、今回も超初心者的視点から見ていこうと思います。
まずは自走砲を解説する前に自走する前、砲そのものについて解説していこうと思います。ずいぶん回りくどいですね。
ここで解説する砲というのはいわゆる大砲のことで、片方に蓋をされた筒状のものに火薬と弾丸を詰め込めるように作られた兵器の事です。概ね鉄砲を大きくしたものと想像してもらってかまいません。(もちろんこれに該当しない砲も存在します。)最初期には主に青銅で作られており、品質も良くなく暴発、破裂の危険を常に抱えて着弾地点より砲手のほうが危険と呼ばれるほど危なっかしい物でした。それが技術の進歩と共に安全に扱えるようになり、飛距離も耐久性も年代とともに高まっていくのでした。こうなってくると野戦、攻城戦どちらにおいても大砲というものは欠かせない存在となっていきます。特筆すべき点は大砲はそれまで城壁によって守られていた市壁や要塞を粉砕し、戦場のありかたを変えてしまった画期的な兵器ということです。
大砲の最初の大きな転換期は榴弾が実用化された時でした。榴弾とは大砲で飛ばす砲弾に火薬を詰めて飛ばし、着弾と同時に炸裂して砲弾の殻が散り散りになって周辺に飛散する物です。非常に殺傷能力が高く、着弾地点の近くに立っている人間は爆風によって吹き飛ばされるか飛翔する破片によって一瞬にして死に追いやります。大砲は人に対して最も恐れられる恐怖の兵器として生まれ変わりました。これらから身を守るには体を地面に向かって伏せているか、可能であれば事前に掘っておいた地面の穴の中で身を縮こませる事でした。大砲は壁を壊すだけでなく人間を大量に殺傷していく兵器へと生まれ変わったのです。人類の工業化に伴い、また様々な技術の発展に伴い、より高性能高品質の大砲が大量に生産されるようになると、さらに大砲はその地位を盤石なものとし、味方からは戦場の女神、敵からは恐怖の死神と恐れられるようになります。
さて、このように戦場の必需品となっていく大砲ですが、もちろんいいことばかりではなく様々な問題を抱える事になります。
まずひとつに当然の事ながら大砲を作るにはそれなりのコストがかかるということです。最初期には青銅、後に金属の塊である大砲にはそれなりの工場設備が必要ですし、製造するには大量のエネルギーを必要とします。大砲に用いる砲弾もたくさん作る必要があり、それは現代の軍においても同様に財布事情に頭を悩ませていました。
次に問題となるのは大砲を扱う人材です。大砲は基本的に放物線を描いて目標に届くわけで、何度も打ちながら修正する余裕があるのならともかく、基本的に数学的な計算によって射角を決めなければいけません。それには十分な教育を受けた人材が必要であり、現在こそ当たり前のように大学教育を受けた人材がいますが、過去においてはこういった人材を軍隊が確保するにはそれなりの苦労があったと言われています。(特に大砲の需要が急増する日露戦争~第一次世界大戦あたりでは需要に供給が追いつかず、人材の確保に大変苦労したと言われています)
次に頭を悩ませていたのは兵站の圧迫です。兵站の解説については省略しますが、要するに大砲を戦場まで運ぶには大変な労力と時間を必要とする、という事です。何しろ大砲とは大小様々ですが数トンはあるのが普通でこれを戦場まで運ばなくてはなりません。また、大砲に用いる砲弾も一緒に運ばなくてはなりません。そして現地で大砲を何度も撃っていると、撃った分だけまた砲弾を運び込まなくてはなりませんし、大砲自身にも亀裂が入ったり内腔がすり減ったりして交換をしなくてはなりません。
技術的な問題もあります。大砲を製造するにはできるだけ均一な材質が望ましいのですが(不均一な材質だと簡単にヒビが入ったりする)それには高い技術力が必要ですし、できるだけ精度を高く作る必要があります。(砲身が歪んでいると砲弾がまっすぐ飛ばない)そしてこれらを大量に生産する工業力も必要とされます。大砲をまともに扱うには技術力、工業力、教育、兵站能力、あらゆる分野で高いレベルを要求され、とにかくお金がかかる、ということを留意しなければならないのです。
という実に回りくどい解説をしたのち、ようやく次回から本編に入ります。
それではまた
冗談はさておき、自走砲とは砲を自走させたもの、という事は砲を自走させる必要があるために自走砲というものが誕生しました。それではなぜ自走砲が作られたのか、今回も超初心者的視点から見ていこうと思います。
まずは自走砲を解説する前に自走する前、砲そのものについて解説していこうと思います。ずいぶん回りくどいですね。
ここで解説する砲というのはいわゆる大砲のことで、片方に蓋をされた筒状のものに火薬と弾丸を詰め込めるように作られた兵器の事です。概ね鉄砲を大きくしたものと想像してもらってかまいません。(もちろんこれに該当しない砲も存在します。)最初期には主に青銅で作られており、品質も良くなく暴発、破裂の危険を常に抱えて着弾地点より砲手のほうが危険と呼ばれるほど危なっかしい物でした。それが技術の進歩と共に安全に扱えるようになり、飛距離も耐久性も年代とともに高まっていくのでした。こうなってくると野戦、攻城戦どちらにおいても大砲というものは欠かせない存在となっていきます。特筆すべき点は大砲はそれまで城壁によって守られていた市壁や要塞を粉砕し、戦場のありかたを変えてしまった画期的な兵器ということです。
大砲の最初の大きな転換期は榴弾が実用化された時でした。榴弾とは大砲で飛ばす砲弾に火薬を詰めて飛ばし、着弾と同時に炸裂して砲弾の殻が散り散りになって周辺に飛散する物です。非常に殺傷能力が高く、着弾地点の近くに立っている人間は爆風によって吹き飛ばされるか飛翔する破片によって一瞬にして死に追いやります。大砲は人に対して最も恐れられる恐怖の兵器として生まれ変わりました。これらから身を守るには体を地面に向かって伏せているか、可能であれば事前に掘っておいた地面の穴の中で身を縮こませる事でした。大砲は壁を壊すだけでなく人間を大量に殺傷していく兵器へと生まれ変わったのです。人類の工業化に伴い、また様々な技術の発展に伴い、より高性能高品質の大砲が大量に生産されるようになると、さらに大砲はその地位を盤石なものとし、味方からは戦場の女神、敵からは恐怖の死神と恐れられるようになります。
さて、このように戦場の必需品となっていく大砲ですが、もちろんいいことばかりではなく様々な問題を抱える事になります。
まずひとつに当然の事ながら大砲を作るにはそれなりのコストがかかるということです。最初期には青銅、後に金属の塊である大砲にはそれなりの工場設備が必要ですし、製造するには大量のエネルギーを必要とします。大砲に用いる砲弾もたくさん作る必要があり、それは現代の軍においても同様に財布事情に頭を悩ませていました。
次に問題となるのは大砲を扱う人材です。大砲は基本的に放物線を描いて目標に届くわけで、何度も打ちながら修正する余裕があるのならともかく、基本的に数学的な計算によって射角を決めなければいけません。それには十分な教育を受けた人材が必要であり、現在こそ当たり前のように大学教育を受けた人材がいますが、過去においてはこういった人材を軍隊が確保するにはそれなりの苦労があったと言われています。(特に大砲の需要が急増する日露戦争~第一次世界大戦あたりでは需要に供給が追いつかず、人材の確保に大変苦労したと言われています)
次に頭を悩ませていたのは兵站の圧迫です。兵站の解説については省略しますが、要するに大砲を戦場まで運ぶには大変な労力と時間を必要とする、という事です。何しろ大砲とは大小様々ですが数トンはあるのが普通でこれを戦場まで運ばなくてはなりません。また、大砲に用いる砲弾も一緒に運ばなくてはなりません。そして現地で大砲を何度も撃っていると、撃った分だけまた砲弾を運び込まなくてはなりませんし、大砲自身にも亀裂が入ったり内腔がすり減ったりして交換をしなくてはなりません。
技術的な問題もあります。大砲を製造するにはできるだけ均一な材質が望ましいのですが(不均一な材質だと簡単にヒビが入ったりする)それには高い技術力が必要ですし、できるだけ精度を高く作る必要があります。(砲身が歪んでいると砲弾がまっすぐ飛ばない)そしてこれらを大量に生産する工業力も必要とされます。大砲をまともに扱うには技術力、工業力、教育、兵站能力、あらゆる分野で高いレベルを要求され、とにかくお金がかかる、ということを留意しなければならないのです。
という実に回りくどい解説をしたのち、ようやく次回から本編に入ります。
それではまた
軍事オタクとしての行動
2012年10月11日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (1)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人B(今回は女性という設定):一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
TVでニュースを見ている二人
一般人B「あ、戦車だ~。こうして見るとすごい大きいねー」
Gallia君「いや、あれは戦車じゃないよ。ブラッドレーM2歩兵戦闘車だね。後部に兵士を載せる事ができるんだ」
一般人B「・・・ あ、今度は戦闘機だー」
Gallia君「いや、あれはF-2支援戦闘機だね。戦闘機ではなくて厳密には支援戦闘機っていって、対艦ミサイルを4発も積める実質的な対艦攻撃機なんだよ」
一般人B「・・・」
~その後、Gallia君は一般人Bさんに嫌われてしまいました~
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。
さて、今回のGallia君、情報の正誤でいえば間違った事は言ってはいないのですが、行動としては明らかに間違いを犯しています。一般人は軍事知識に触れ合う機会は殆ど無く、Gallia君のように理解できない単語や知識をひけらかしても一般人は理解できない上にとても嫌がります。
日本では過去に行き過ぎた平和志向から、軍事に関わる事は忌み嫌われていました。それと同様に軍事オタクは何を考えているのかわからない気味の悪い存在として扱われていた時期もありました。現在では少しずつ軍事に対する偏見も収まりつつあり、そういった方々への偏見も薄れつつありますが、いまでも一般人が軍事知識を有する事は皆無であり、オタクとは気味の悪い存在である事にはかわりありません。(ちなみに女性が嫌いな男性の趣味といったようなアンケートでは、たいてい上位に軍事趣味がランクインします。)
今回のGallia君は間違いを正そうとするあまりに空気を読まず、対人関係を損なうだけではなく軍事オタク全体のイメージを悪化させる結果となってしまっています。必ずしも間違いを正す事が正しい結果に繋がるとはかぎらないのです。私自身、一にわか軍事オタクではありますがこういった行為は前述の通り軍事オタク全体のイメージの悪化につながりますので、できるだけ謹んで欲しい行為です。
軍事オタクとして、特に害となりそうになければ無理に一般人の方々の間違いを正そうとせずに、座して静観する事も大事なのです。もちろん質問をされて答える分には構わないのですが、そういった場合でもできるだけややこしい言葉を使わずにわかりやすい説明をする事が正しい軍事オタクの行動だと思います。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人B(今回は女性という設定):一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
TVでニュースを見ている二人
一般人B「あ、戦車だ~。こうして見るとすごい大きいねー」
Gallia君「いや、あれは戦車じゃないよ。ブラッドレーM2歩兵戦闘車だね。後部に兵士を載せる事ができるんだ」
一般人B「・・・ あ、今度は戦闘機だー」
Gallia君「いや、あれはF-2支援戦闘機だね。戦闘機ではなくて厳密には支援戦闘機っていって、対艦ミサイルを4発も積める実質的な対艦攻撃機なんだよ」
一般人B「・・・」
~その後、Gallia君は一般人Bさんに嫌われてしまいました~
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。
さて、今回のGallia君、情報の正誤でいえば間違った事は言ってはいないのですが、行動としては明らかに間違いを犯しています。一般人は軍事知識に触れ合う機会は殆ど無く、Gallia君のように理解できない単語や知識をひけらかしても一般人は理解できない上にとても嫌がります。
日本では過去に行き過ぎた平和志向から、軍事に関わる事は忌み嫌われていました。それと同様に軍事オタクは何を考えているのかわからない気味の悪い存在として扱われていた時期もありました。現在では少しずつ軍事に対する偏見も収まりつつあり、そういった方々への偏見も薄れつつありますが、いまでも一般人が軍事知識を有する事は皆無であり、オタクとは気味の悪い存在である事にはかわりありません。(ちなみに女性が嫌いな男性の趣味といったようなアンケートでは、たいてい上位に軍事趣味がランクインします。)
今回のGallia君は間違いを正そうとするあまりに空気を読まず、対人関係を損なうだけではなく軍事オタク全体のイメージを悪化させる結果となってしまっています。必ずしも間違いを正す事が正しい結果に繋がるとはかぎらないのです。私自身、一にわか軍事オタクではありますがこういった行為は前述の通り軍事オタク全体のイメージの悪化につながりますので、できるだけ謹んで欲しい行為です。
軍事オタクとして、特に害となりそうになければ無理に一般人の方々の間違いを正そうとせずに、座して静観する事も大事なのです。もちろん質問をされて答える分には構わないのですが、そういった場合でもできるだけややこしい言葉を使わずにわかりやすい説明をする事が正しい軍事オタクの行動だと思います。
情報の確認ぐらいしよう
2012年2月15日 日常 コメント (3) 先日、福島原発2号機の温度が異常値を示すという報道がありました。結局は計器の故障であったので大きな問題にはならなかったのですが、以下の方々がこういった反応を示しました。
サイト:痛いニュース(ノ∀`) とは俗に言う2ちゃんねるのスレッドの中からサイトの管理人が面白いと感じたスレッドから、掲載に不要と思われる書き込みを省略し、見やすくした上で記事を紹介するサイトです。今回、福島原発2号機の温度が異常値を示すという報道から彼らの反応なんですが、まぁ酷いものです。スレッド内では参照元に元ソースを掲載してあり、その内容をよく読めば温度計の異常値は故障である事がすぐにわかるにもかかわらずです。
例えば最初の記事では
産経の記事にもある通り、温度計の値が1秒単位で75度から90度の間を前後するようになったとあるのは、どう考えても計器の故障です。また、同炉内にある6つの温度計の内、一つが異常値を示しているのであって他の5つはむしろ下降してます。(同高度にある温度計は3つ)
読売新聞の記事ではわざわざグラフ入りでわかりやすく解説しており、それすらも見ずに騒ぎ立てるのは滑稽としか言い用がありません。ちょっと情報を確認するだけでただの故障とわかるのですが。
そもそも機械というのは使っていればいずれ壊れるものであり、壊れない機械など存在しません。炉内に6つの温度計があるのもそのためです。どれか一つが壊れていても他の温度計で確認できるように設計されているので、今回の異常値もすぐに故障と判断できたわけです。
温度計が異常値を示している、という情報だけにとびついて、情報の確認を怠り騒ぎ立てる、 こうやってデマが発生し、広がっていくのがよくわかります。
ちなみに元2ちゃんねるの管理人、ひろゆき氏も似たような事をblogに書いています
人間はたった31文字でも文意が読めない場合もあるみたいです。
情報にとびつき、騒ぎ立てる前に今一度、確認する必要があるのです。ソースをよく読む、必要なら別ソースを確認する。たったこれだけでの事です。
以下 痛いニュース(ノ∀`) 様 より
2012年02月12日 福島原発2号機、保安規定超す82度に 東電「温度計の不良の可能性が高い」
以下、2ちゃんねるの反応
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1695958.html
2012年02月13日 2号機温度計342.2度
以下、2ちゃんねるの反応
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1696150.html
2012年02月13日 2号機温度計400度を超えて振り切れる
以下、2ちゃんねるの反応
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1696179.html
サイト:痛いニュース(ノ∀`) とは俗に言う2ちゃんねるのスレッドの中からサイトの管理人が面白いと感じたスレッドから、掲載に不要と思われる書き込みを省略し、見やすくした上で記事を紹介するサイトです。今回、福島原発2号機の温度が異常値を示すという報道から彼らの反応なんですが、まぁ酷いものです。スレッド内では参照元に元ソースを掲載してあり、その内容をよく読めば温度計の異常値は故障である事がすぐにわかるにもかかわらずです。
例えば最初の記事では
MSN産経ニュース
「温度計の不良の可能性」 東電、2号機下部の温度上昇で
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120212/dst12021217270007-n1.htm
以下引用
温度計の不良と判断した理由は、同日昼過ぎから、温度計の値が1秒単位で75度から90度の間を前後するようになったため。同温度計の数メートル下にある温度計など、周囲にあるほかの温度計は低下傾向のままという。これまで同温度計は1~2度前後のぶれが生じる傾向があったが、これほど大きな変動が生じたのは初めて。
産経の記事にもある通り、温度計の値が1秒単位で75度から90度の間を前後するようになったとあるのは、どう考えても計器の故障です。また、同炉内にある6つの温度計の内、一つが異常値を示しているのであって他の5つはむしろ下降してます。(同高度にある温度計は3つ)
読売新聞より
2号機原子炉温度計「確実に故障」…回路に異常
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120213-OYT1T00878.htm
読売新聞の記事ではわざわざグラフ入りでわかりやすく解説しており、それすらも見ずに騒ぎ立てるのは滑稽としか言い用がありません。ちょっと情報を確認するだけでただの故障とわかるのですが。
そもそも機械というのは使っていればいずれ壊れるものであり、壊れない機械など存在しません。炉内に6つの温度計があるのもそのためです。どれか一つが壊れていても他の温度計で確認できるように設計されているので、今回の異常値もすぐに故障と判断できたわけです。
温度計が異常値を示している、という情報だけにとびついて、情報の確認を怠り騒ぎ立てる、 こうやってデマが発生し、広がっていくのがよくわかります。
ちなみに元2ちゃんねるの管理人、ひろゆき氏も似たような事をblogに書いています
注意力と読解力について
http://hiro.asks.jp/82199.html
人間はたった31文字でも文意が読めない場合もあるみたいです。
情報にとびつき、騒ぎ立てる前に今一度、確認する必要があるのです。ソースをよく読む、必要なら別ソースを確認する。たったこれだけでの事です。
・明確に米国の「仮想敵国」となった中国
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/30638
2011.11.28(月) 阿部 純一:プロフィール
(以下引用) 中国の場合、外交は外交部(外務省)が一元的にコントロールしているわけではない。中国の権力構造の中で外交部の力は相対的に脆弱であり、もっと強力な人民解放軍の圧力を受ければ無力化してしまう現実がある。 (ここまで)
中国に対する外交の難しさはこのへんにあるのかもしれない
・やる夫で学ぶ第一次世界大戦 やる夫で学ぶ塹壕(鉄条網と機関銃編)
@MyoyoShinnyo こなたま 氏のツイートより
http://twitter.com/#!/MyoyoShinnyo/status/145012564663873536
本編のURLはこちら
http://snudge.blog38.fc2.com/blog-entry-1349.html
もうモヒカンが来ても怖くない
・殺伐としたスレにIS-3が!!
http://wikiwiki.jp/wotanks/?plugin=ref&page=FrontPage&src=top_image17.jpg
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/30638
2011.11.28(月) 阿部 純一:プロフィール
(以下引用) 中国の場合、外交は外交部(外務省)が一元的にコントロールしているわけではない。中国の権力構造の中で外交部の力は相対的に脆弱であり、もっと強力な人民解放軍の圧力を受ければ無力化してしまう現実がある。 (ここまで)
中国に対する外交の難しさはこのへんにあるのかもしれない
・やる夫で学ぶ第一次世界大戦 やる夫で学ぶ塹壕(鉄条網と機関銃編)
@MyoyoShinnyo こなたま 氏のツイートより
http://twitter.com/#!/MyoyoShinnyo/status/145012564663873536
本編のURLはこちら
http://snudge.blog38.fc2.com/blog-entry-1349.html
もうモヒカンが来ても怖くない
・殺伐としたスレにIS-3が!!
http://wikiwiki.jp/wotanks/?plugin=ref&page=FrontPage&src=top_image17.jpg
戦車の天井VS榴弾砲
http://togetter.com/li/207829
榴弾で戦車の装甲は抜けるの?というお話
整備兵氏(@seibihei)による「作戦」という言葉の意味についてのお話(仮
http://togetter.com/li/210424
戦略 作戦 戦術 はいここテストにでますよー
戦車砲の反動と慣性質量の影響。
http://togetter.com/li/198957
これが理解できない軍事オタクはにわかです。よって自分はにわかです。
陰謀論の生まれ方(その一端
2011年9月30日 日常@futaba_AFB ぼろ太氏のツイートから引用になります
http://twitter.com/#!/futaba_AFB/status/119222599371853824
動画の内容は、人間のみならず様々な動物は不規則な物に対してもなんらかのパターン性を見出してしまうというもの。
陰謀論が生まれる理由も、人間はわからない事、釈然としない事に対して創造力を働かせて何らかの意味を見出してしまう、という事が指摘されています。ぼろ太氏も指摘している通り、これ意外にも様々な要因があると思いますが、その一端であるとはいえ非常にわかりやすく解説していると思います。
http://twitter.com/#!/futaba_AFB/status/119222599371853824
動画の内容は、人間のみならず様々な動物は不規則な物に対してもなんらかのパターン性を見出してしまうというもの。
陰謀論が生まれる理由も、人間はわからない事、釈然としない事に対して創造力を働かせて何らかの意味を見出してしまう、という事が指摘されています。ぼろ太氏も指摘している通り、これ意外にも様々な要因があると思いますが、その一端であるとはいえ非常にわかりやすく解説していると思います。
ゼークトの格言
2011年9月18日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (2)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい。将校は4つ分類できるという話。」
一般人「へー。どんなタイプに分類できるんだい?」
Gallia「これはドイツの軍人である、ハンス・フォン・ゼークトという人物が残した格言だね。」
一般人「勤勉で無能なタイプが一番問題なんだ?」
Gallia「そうだね。勤勉で無能なタイプというは、よく働く分、次々と問題を起こしてしまうからなんだ」
一般人「有能で怠惰なタイプが一番優秀?」
Gallia「優秀というか、司令官向きということだね。有能な怠け者というのは自分が楽をするために最大限の努力をするからだ。」
一般人「へぇー。おもしろい話だねぇ」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
さて、いきなりのネタバレになりますが今回の記事の元ネタはこちらとなります。
細部に多少の変化はあるものの、Gallia君の言う4つのタイプに分類できるという話は、日本ではしばしばゼークトの格言として紹介されるものです。しかし、こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートにもある通り、この格言はゼークトではなくハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものというのが正しいようです。
簡単に調べてみたところ
ドイツ語版、英語版、どちらの項目にも4つのタイプに分類する話はありません。
ではハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目で検索してみると。
両方の項目にも4つタイプに分類する話がでてきます。また、軍事板条件問題&良レス機構にも同様の記述があります。
これらから、軍人を4つのタイプに分類するという話はゼークトによるものではなく、ハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものである可能性が非常に高いです。したがって、冒頭のGallia君の発言はまたしても間違いであると思われます。
(※Gallia君は架空のキャラクターです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。)
余談ですが、この話を知っていた自分がライトノベルの神様のメモ帳7巻を読んでいたところ、88ページにゼークトの格言として4つのタイプに分類できる話が掲載されているのを見ておもわずずっこけそうになりました。広く知られている事だからこそ、今一度確認のために調べてみることの重要性を再確認した次第です。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい。将校は4つ分類できるという話。」
一般人「へー。どんなタイプに分類できるんだい?」
将校には4つのタイプがある.
第一に,怠惰で無能なタイプ.これは放っておいても害にはならない.
第二に,勤勉で有能なタイプ.このタイプはどんな細かいことでもきちんと分析する優秀な参謀になる.
第三に,勤勉で無能なタイプ.このタイプがいちばん始末に負えないので,即座に除隊を命じなければならない.
第四に有能で怠惰なタイプ.このタイプを最高の位につけるのがよい.
Gallia「これはドイツの軍人である、ハンス・フォン・ゼークトという人物が残した格言だね。」
一般人「勤勉で無能なタイプが一番問題なんだ?」
Gallia「そうだね。勤勉で無能なタイプというは、よく働く分、次々と問題を起こしてしまうからなんだ」
一般人「有能で怠惰なタイプが一番優秀?」
Gallia「優秀というか、司令官向きということだね。有能な怠け者というのは自分が楽をするために最大限の努力をするからだ。」
一般人「へぇー。おもしろい話だねぇ」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
さて、いきなりのネタバレになりますが今回の記事の元ネタはこちらとなります。
軍人の資質に関する格言について
http://togetter.com/li/181805
こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートより
細部に多少の変化はあるものの、Gallia君の言う4つのタイプに分類できるという話は、日本ではしばしばゼークトの格言として紹介されるものです。しかし、こなたま@MyoyoShinnyo氏のツイートにもある通り、この格言はゼークトではなくハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものというのが正しいようです。
簡単に調べてみたところ
○ドイツ語版Wikipediaによるハンス・フォン・ゼークトの項目
http://de.wikipedia.org/wiki/Hans_von_Seeckt
○英語版Wikipediaによるハンス・フォン・ゼークトの項目
http://en.wikipedia.org/wiki/Hans_von_Seeckt
ドイツ語版、英語版、どちらの項目にも4つのタイプに分類する話はありません。
ではハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目で検索してみると。
○ドイツ語版Wikipediaによるクルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目
http://de.wikipedia.org/wiki/Kurt_von_Hammerstein-Equord
○英語版Wikipediaによるクルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトの項目
http://en.wikipedia.org/wiki/Kurt_von_Hammerstein-Equord
両方の項目にも4つタイプに分類する話がでてきます。また、軍事板条件問題&良レス機構にも同様の記述があります。
軍事板条件問題&良レス機構様より
【質問】
「無能な働き者」というのは誰が言い出した言葉なのか?
http://mltr.ganriki.net/faq12c05.html#02791
これらから、軍人を4つのタイプに分類するという話はゼークトによるものではなく、ハンマーシュタイン=エクヴォルトによるものである可能性が非常に高いです。したがって、冒頭のGallia君の発言はまたしても間違いであると思われます。
(※Gallia君は架空のキャラクターです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。)
余談ですが、この話を知っていた自分がライトノベルの神様のメモ帳7巻を読んでいたところ、88ページにゼークトの格言として4つのタイプに分類できる話が掲載されているのを見ておもわずずっこけそうになりました。広く知られている事だからこそ、今一度確認のために調べてみることの重要性を再確認した次第です。
ついったーからの簡易更新
2011年8月25日 軍事・政治@Nyarlathotep_44氏による旧日本陸軍の歩兵用対戦車兵器のお話
http://togetter.com/li/173281
戦前の日本の航空機産業と技術開発、技術立国への始まり
http://togetter.com/li/172929
戦前の日本の軍需産業や工業について(工業規格統一や品質管理、中島飛行機と三井物産の関係などなど)
http://togetter.com/li/172512
どうして放射性物質を海に捨てても生物濃縮の問題にならないの?
http://togetter.com/li/170993
へぼ担当氏による水中核爆発
http://togetter.com/li/103212
原子力は複雑怪奇・・・
すくなくともこれらの一語一句が正しく理解できるようになるまで、原子力について安易に語るのは絶対やめようと思いました。
武装神姫が今月末にサービスが終了するとのことで久々に再開してみました
勝ちは無視して使いたい装備を重視してカスタマイズ。(というよりガチに勝ちを狙うほどの猶予がない)のでもう負けとか気にせずに好きなパーツだけ使ってます
久々にやるとやっぱり武装神姫って面白いゲームだなぁと再認識します。サーバ経由せずにシングルプレイ、あるいはユーザー間接続のクライアントとかで、どうにかして残せないかなぁ
勝ちは無視して使いたい装備を重視してカスタマイズ。(というよりガチに勝ちを狙うほどの猶予がない)のでもう負けとか気にせずに好きなパーツだけ使ってます
久々にやるとやっぱり武装神姫って面白いゲームだなぁと再認識します。サーバ経由せずにシングルプレイ、あるいはユーザー間接続のクライアントとかで、どうにかして残せないかなぁ
ちょっと前にツイッターなるものをはじめてみました。
先人の軍事オタクの方々のツイートを見るのはなかなかに面白いです。
個人的に面白かったツイート
ノルウェーのテロ事件は対岸の火事ではない
http://togetter.com/li/168399
狙撃兵すごい
http://togetter.com/li/168129
WW2 戦略爆撃機
http://togetter.com/li/163494
ゼロ戦 F4F 比較まとめ
http://togetter.com/li/163482
ゼロ戦、意外とがんばってるなぁ
先人の軍事オタクの方々のツイートを見るのはなかなかに面白いです。
個人的に面白かったツイート
ノルウェーのテロ事件は対岸の火事ではない
http://togetter.com/li/168399
狙撃兵すごい
http://togetter.com/li/168129
WW2 戦略爆撃機
http://togetter.com/li/163494
ゼロ戦 F4F 比較まとめ
http://togetter.com/li/163482
ゼロ戦、意外とがんばってるなぁ
ジャベリンが上昇する理由
2011年5月22日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (1)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「あれ?今何をやったんだい?」
Gallia「うん?」
一般人「ミサイルを撃ったんだよね?何か変な方向に飛んでいったような・・・」
Gallia「ああ、これはジャベリンっていう対戦車ミサイルだね」
一般人「戦車を倒すためのミサイル?」
Gallia「そうだよ。ジャベリンっていうのは発射した時に一旦上昇するんだ」
一般人「へー。まっすぐ飛ばないで一旦上に飛ぶんだね」
Gallia「そう。戦車っていうのは正面はすごく厚い装甲になってるんだ。でも正面は厚くても上面は薄い。だから確実に倒すために一旦上昇して装甲の薄い上面を狙うんだ。」
一般人「へぇー。まわりくどいようだけどそっちのほうが確実なんだねー」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
(補足・ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。正直、名前はなんでもよくてケニカル君でも木村さんでもいいのですが、なんとなくGallia君からスタートしてしまったのでそのまま使っています。)
ところで文中に登場するジャベリンとは FGM-148 Javelin の事をさしています。
参考の動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=S3iA5KCa16s
ついでに01式軽対戦車誘導弾の動画も貼っておきます
http://www.youtube.com/watch?v=TL5tzzIWQb4
少々BGMがうるさいかもしれませんが、どう飛んでいるのかがわかりやすいかと思います。
さて、今回のGallia君、別段、間違った事を言っているわけではないのでにわか軍事オタクとは呼べないのですが、装甲の薄い上面部分へ当てるため、という説明だけでは少々説明不足と言わざるをえません。たしかにこういった対戦車ミサイルは、装甲の進化にともない正面へ当てても効果が薄いケースが増えているため上面を狙うといった理由もあるのですが、一度上昇をする理由は他にもあるのです。
では説明へ入る前に予備知識として簡単に戦車の動きに関して、
戦車とは機動・火力・装甲といった走・攻・守 三拍子揃った兵器であるのはご存知の通りかと思います。反面視界が狭く、歩兵の援護が必要不可欠とされています。しかし戦車は攻撃側でも防御側でも重要な戦力ですので、そうおいそれとやられるわけにはいきません。そのため戦車は通常、できるだけ長時間、自身の姿を晒さないように身を隠しながら移動します。建物や森林の外縁部といった掩蔽物を利用したり、稜線射撃を行いながら敵に位置を補足されないよう、行動します。稜線射撃とは稜線を前にして相手側正面から見た場合、砲身と砲塔の一部しか見えない状態で射撃する事を言います。この体勢を通称、ハルダウンと言います。その他にも陣地造営の時間的余裕が許される場合、戦車用の塹壕を掘ったり、偽装を施したりします。リアリズムと防衛を学ぶ様に簡単な解説がありましたので紹介させていただきます。
このように、映画では雄々しく前進する姿を描写されがちな戦車ですが、実際にはどちらかというとこそこそと用心深く、慎重に行動するのが普通です。
さて、話は戻りますが従来の直進するタイプの携帯式対戦車ミサイルの場合、至近距離で撃った場合は別として、どうしても発射から着弾までほんのわずかですが時間がかかってしまいます。こういった兵器は発射した瞬間派手な噴煙を上げるので戦車側は素早く察知し、稜線や掩蔽物の影に隠れたりします。ところが FGM-148 Javelin のように一旦上昇するミサイルに対しては身を隠す手段が限定されているので回避が非常に難しくなります。Javelinが一旦上昇する理由は装甲の薄い上面を狙うだけでなく、相手側の回避が困難であるという理由もあるのです。
冒頭のGallia君はJavelinが一旦上昇するのは装甲の薄い上面を狙うためと解説しました。しかしそれ以外にも理由はあるのですが、Gallia君は一度身につけた知識に満足してしまい、それ以外にも理由がないかという探究心を失ってしまったのです。軍事という世界は非常に保守的で、従来と違うやり方へと変化する場合、必ず多角的視点からメリットとデメリットを天秤に掛けて判断します。そこにある理由はひとつだけでなく複数あるのが普通です。冒頭のGallia君のような過ちを犯さないためにも、ひとつの理由に満足せずに、様々な視点から知識を身につけていくべきなのです。偏った知識ばかりになっていまうと、それじゃあ理解したことにはならないよと笑われてしまっても仕方のない事なのです。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
一般人「あれ?今何をやったんだい?」
Gallia「うん?」
一般人「ミサイルを撃ったんだよね?何か変な方向に飛んでいったような・・・」
Gallia「ああ、これはジャベリンっていう対戦車ミサイルだね」
一般人「戦車を倒すためのミサイル?」
Gallia「そうだよ。ジャベリンっていうのは発射した時に一旦上昇するんだ」
一般人「へー。まっすぐ飛ばないで一旦上に飛ぶんだね」
Gallia「そう。戦車っていうのは正面はすごく厚い装甲になってるんだ。でも正面は厚くても上面は薄い。だから確実に倒すために一旦上昇して装甲の薄い上面を狙うんだ。」
一般人「へぇー。まわりくどいようだけどそっちのほうが確実なんだねー」
・・・(´Д`)
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
(補足・ここに登場するGallia君は、あくまで物事を説明する上での便宜上、設けられた架空のキャラクターです。正直、名前はなんでもよくてケニカル君でも木村さんでもいいのですが、なんとなくGallia君からスタートしてしまったのでそのまま使っています。)
ところで文中に登場するジャベリンとは FGM-148 Javelin の事をさしています。
参考の動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=S3iA5KCa16s
ついでに01式軽対戦車誘導弾の動画も貼っておきます
http://www.youtube.com/watch?v=TL5tzzIWQb4
少々BGMがうるさいかもしれませんが、どう飛んでいるのかがわかりやすいかと思います。
さて、今回のGallia君、別段、間違った事を言っているわけではないのでにわか軍事オタクとは呼べないのですが、装甲の薄い上面部分へ当てるため、という説明だけでは少々説明不足と言わざるをえません。たしかにこういった対戦車ミサイルは、装甲の進化にともない正面へ当てても効果が薄いケースが増えているため上面を狙うといった理由もあるのですが、一度上昇をする理由は他にもあるのです。
では説明へ入る前に予備知識として簡単に戦車の動きに関して、
戦車とは機動・火力・装甲といった走・攻・守 三拍子揃った兵器であるのはご存知の通りかと思います。反面視界が狭く、歩兵の援護が必要不可欠とされています。しかし戦車は攻撃側でも防御側でも重要な戦力ですので、そうおいそれとやられるわけにはいきません。そのため戦車は通常、できるだけ長時間、自身の姿を晒さないように身を隠しながら移動します。建物や森林の外縁部といった掩蔽物を利用したり、稜線射撃を行いながら敵に位置を補足されないよう、行動します。稜線射撃とは稜線を前にして相手側正面から見た場合、砲身と砲塔の一部しか見えない状態で射撃する事を言います。この体勢を通称、ハルダウンと言います。その他にも陣地造営の時間的余裕が許される場合、戦車用の塹壕を掘ったり、偽装を施したりします。リアリズムと防衛を学ぶ様に簡単な解説がありましたので紹介させていただきます。
リアリズムと防衛学を学ぶ様より
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20091027/1256578214
なぜ日本に戦車が必要か?part2 日本の地形と戦車
後半に稜線射撃についての解説があります。
このように、映画では雄々しく前進する姿を描写されがちな戦車ですが、実際にはどちらかというとこそこそと用心深く、慎重に行動するのが普通です。
さて、話は戻りますが従来の直進するタイプの携帯式対戦車ミサイルの場合、至近距離で撃った場合は別として、どうしても発射から着弾までほんのわずかですが時間がかかってしまいます。こういった兵器は発射した瞬間派手な噴煙を上げるので戦車側は素早く察知し、稜線や掩蔽物の影に隠れたりします。ところが FGM-148 Javelin のように一旦上昇するミサイルに対しては身を隠す手段が限定されているので回避が非常に難しくなります。Javelinが一旦上昇する理由は装甲の薄い上面を狙うだけでなく、相手側の回避が困難であるという理由もあるのです。
冒頭のGallia君はJavelinが一旦上昇するのは装甲の薄い上面を狙うためと解説しました。しかしそれ以外にも理由はあるのですが、Gallia君は一度身につけた知識に満足してしまい、それ以外にも理由がないかという探究心を失ってしまったのです。軍事という世界は非常に保守的で、従来と違うやり方へと変化する場合、必ず多角的視点からメリットとデメリットを天秤に掛けて判断します。そこにある理由はひとつだけでなく複数あるのが普通です。冒頭のGallia君のような過ちを犯さないためにも、ひとつの理由に満足せずに、様々な視点から知識を身につけていくべきなのです。偏った知識ばかりになっていまうと、それじゃあ理解したことにはならないよと笑われてしまっても仕方のない事なのです。
以前書いた原子炉事故に関してについて
2011年5月17日 日常 コメント (1) 当blogにおいて2011年3月14日付けで書いた 原子炉事故に関して ですが、メルトダウンは発生していないと書いたのですが東京電力の発表によると地震発生から16時間後にはメルトダウンが発生していたとのことです。
東京電力の発表によると、格納容器内の圧力容器の底が燃料棒により一部損壊、下部より溶融した燃料棒の一部が漏れているとのことです。漏れ出した燃料棒の一部が格納容器のどこから漏れているのかはまだ調査中とのことです。
メルトダウンは発生していないと書いた記事は間違いであり、当blogをご覧になっている読者の皆様、誠に申し訳ありませんでした。今後、同じ間違いを起こさないよう、注意していきたいと思います。
東京電力の発表によると、格納容器内の圧力容器の底が燃料棒により一部損壊、下部より溶融した燃料棒の一部が漏れているとのことです。漏れ出した燃料棒の一部が格納容器のどこから漏れているのかはまだ調査中とのことです。
メルトダウンは発生していないと書いた記事は間違いであり、当blogをご覧になっている読者の皆様、誠に申し訳ありませんでした。今後、同じ間違いを起こさないよう、注意していきたいと思います。
Age of Ocean短評
2011年4月26日 ゲームやってない人にもできるだけわかりやすく書こうと思います。
一応URL
http://ocean.game11.jp/
大航海時代を背景に軍人(海賊)、冒険、貿易等をするゲーム
世界各地に埠頭と呼ばれる拠点を設置し、英雄(提督と言ったほうがわかりやすいと思う)を雇い、英雄に艦隊をもたせて上記のように軍人プレイや貿易(商人)プレイなんかをする。埠頭という拠点は複数所持することができて、様々な技術の開発、英雄の雇用、船舶の建造、定期的に収入を得る施設なんかが建てられる。英雄は伸び代があって、当然ながらよい性能の英雄はなかなかでない。
とまぁここまでならなにやら面白そうなゲームではあるのですが―・・
デベロッパーがチャイナ系企業なんですが、(中国で開発されたゲームを日本向けにローカライズしたのがAge of Ocean)チャイナ系企業の開発するブラウザゲームは何故か序盤にやたらとあぶく銭が入る仕様が多く、今回のゲームもそれに該当。序盤から中盤へむけて金だけはやたら余るので、ひたすら研究、施設のアップグレードが続く。このへんがかなり残念。新しい船が手に入った時の感動とかが薄い。これは仕様が悪いとかではなくて文化の違いなんかもあるかもしれない。日本のRPGが世界ではあまり受けが良くないのと似てるのかな。
あと何かきちんと日本語に訳されてない箇所が多く、エラー文を始めいたるところに中文が見受けられる。βテストなのでしょうがない、という意見もあるのだが、こういうのは十中八九正式サービスが始まってもほとんど治らんと思う。UIもかなり不評。
総評として、他人におすすめするゲームではないというかなり残念な結果に。一部の人にしか伝わらないが、期待してゲームを始めていたらいつのまにかGalliaもこっそり始めていた、と言えばわかるだろうか。ようするにそういうゲームなんだ。うむ。
というわけでゲームクリア。MoEはまだまだ面白いのでしばらくはこっちがメインになりそう。
一応URL
http://ocean.game11.jp/
大航海時代を背景に軍人(海賊)、冒険、貿易等をするゲーム
世界各地に埠頭と呼ばれる拠点を設置し、英雄(提督と言ったほうがわかりやすいと思う)を雇い、英雄に艦隊をもたせて上記のように軍人プレイや貿易(商人)プレイなんかをする。埠頭という拠点は複数所持することができて、様々な技術の開発、英雄の雇用、船舶の建造、定期的に収入を得る施設なんかが建てられる。英雄は伸び代があって、当然ながらよい性能の英雄はなかなかでない。
とまぁここまでならなにやら面白そうなゲームではあるのですが―・・
デベロッパーがチャイナ系企業なんですが、(中国で開発されたゲームを日本向けにローカライズしたのがAge of Ocean)チャイナ系企業の開発するブラウザゲームは何故か序盤にやたらとあぶく銭が入る仕様が多く、今回のゲームもそれに該当。序盤から中盤へむけて金だけはやたら余るので、ひたすら研究、施設のアップグレードが続く。このへんがかなり残念。新しい船が手に入った時の感動とかが薄い。これは仕様が悪いとかではなくて文化の違いなんかもあるかもしれない。日本のRPGが世界ではあまり受けが良くないのと似てるのかな。
あと何かきちんと日本語に訳されてない箇所が多く、エラー文を始めいたるところに中文が見受けられる。βテストなのでしょうがない、という意見もあるのだが、こういうのは十中八九正式サービスが始まってもほとんど治らんと思う。UIもかなり不評。
総評として、他人におすすめするゲームではないというかなり残念な結果に。一部の人にしか伝わらないが、期待してゲームを始めていたらいつのまにかGalliaもこっそり始めていた、と言えばわかるだろうか。ようするにそういうゲームなんだ。うむ。
というわけでゲームクリア。MoEはまだまだ面白いのでしばらくはこっちがメインになりそう。
Age of Ocean
2011年4月21日 ゲーム例によってブラウザゲームです。
やってみたかんじKOEIの発売したコンシューマの大航海時代によく似ています。
(大抵のみなさんが想像するアレです。港と港の移動にリアルで時間がかかる感じ)
ブラウザゲームは単純な分、すぐのめりこめる反面簡単に飽きがきてしまいがちです。
たぶん半年くらいしたら飽きると思います。
でも飽きるまでの間は楽しいのでやってみようかなと思います。
やってみたかんじKOEIの発売したコンシューマの大航海時代によく似ています。
(大抵のみなさんが想像するアレです。港と港の移動にリアルで時間がかかる感じ)
ブラウザゲームは単純な分、すぐのめりこめる反面簡単に飽きがきてしまいがちです。
たぶん半年くらいしたら飽きると思います。
でも飽きるまでの間は楽しいのでやってみようかなと思います。
mixiでも書いたのですが、自分の想像以上にデマが広がっているようなのでこちらにも表記しておきます。某所より転載。(転載元からの許可は取ってあります)
原子力関係は専門性が非常に高い分野であるため、信頼性の高いソースが非常に限られています。
この某専門家氏というのは名前は伏せますが某担当氏の事を指すものと思われます。氏は第一線級の現役の原子力技術者ですので信頼性が高いと思われます。ソース元が明らかにされない、安易に何百人が被爆だの放射能漏れがどうのこうの情報は信じないようお願いします。
繰り返しますが、原子力は非常に専門性の高い分野です。安易な情報に飛びつかないよう、お願いします。この記事を投稿した現在、チェルノブイリ事故のような広範囲に渡る放射性物質の拡散はないものと思われます。
念のため書いておきます。
放射線・・・大量に浴びると人体に深刻な影響を及ぼす。ただし、日常でも微量の放射線は常に降り注いでいる。単位に注意。被爆したからといってそれが致死量に至るものなのかどうか、確認が必要。原発反対派はここの数字をごまかしてミスリードしてくるので注意。また、マスメディアがしばしばガイガーカウンターを用いて放射線が検出されている事を報道する事があるが、ガイガーカウンターは感度を上げればほとんど人体に影響のない程度のごく微量な放射線にも反応するため、反応したかどうかよりもどの程度の放射線の量が検出されたかに注意を向けるべき。
放射能・・・放射線を出す能力。放射能を浴びたという表現は間違い
放射性物質・・・放射能を持った物質。これが塵となって大気に拡散し、肺に入ると厄介な事になる。当記事を投稿した現在では致命的な量の放射性物質の拡散は確認されていない。 原子炉事故の際、早急に清潔な着替えとシャワーを用意する必要があるのは、体に降り注いだ放射性物質をいち早く洗い流す必要があるため。
すくなくとも以上3点の放射線、放射能、放射性物質の使い分けが正しくできていない場合は信頼性が非常に低いソースであると判断できます。また、しばしばメルトダウンが発生しているという情報がありますが、起こっているのはメルトダウンではなく燃料棒溶融です。致命的な放射性物質の流出は起きていません。現場では原子力技術者が不眠不休で事態に当たっています。専門用語が飛び交い、なにやら恐ろしい事が起こっているかのような印象を与える場合もありますが、不容易に騒ぎ立てたり不安を伝播させたりしないよう、お願いします。
追記・タービン建屋が吹き飛んだ事で不安に感じられる方もいるかと思いますが、あくまで吹き飛んだのは建屋であって格納容器は無事です。格納容器は何重の壁に覆われており、格納容器そのものは無事であるためいまだ致命的な事故にはいたっておりません。
原子力関係は専門性が非常に高い分野であるため、信頼性の高いソースが非常に限られています。
【質問】
原子炉事故が起きているとき,どこの情報を見るのがいいの?
【回答】
これまで観察した限りでは,原子力安全・保安院の緊急時情報HPが,やはり一番正確.
http://kinkyu.nisa.go.jp/m/new.html
情報発信が遅い傾向はあるが,そもそも情報の速報性と正確性は反比例するものであり,ガセ情報を掴まされて無駄に右往左往するよりはよほどいい.
テレビではNISA公式をそのままかみ砕く,NHKの関村教授の解説が一番正確.※
民放では,怪しい「専門家」が出演していたり,燃料棒溶融とメルトダウンとを混同していたり等,問題があってお勧めできない.
※ ソースは某専門家氏.
この某専門家氏というのは名前は伏せますが某担当氏の事を指すものと思われます。氏は第一線級の現役の原子力技術者ですので信頼性が高いと思われます。ソース元が明らかにされない、安易に何百人が被爆だの放射能漏れがどうのこうの情報は信じないようお願いします。
繰り返しますが、原子力は非常に専門性の高い分野です。安易な情報に飛びつかないよう、お願いします。この記事を投稿した現在、チェルノブイリ事故のような広範囲に渡る放射性物質の拡散はないものと思われます。
念のため書いておきます。
放射線・・・大量に浴びると人体に深刻な影響を及ぼす。ただし、日常でも微量の放射線は常に降り注いでいる。単位に注意。被爆したからといってそれが致死量に至るものなのかどうか、確認が必要。原発反対派はここの数字をごまかしてミスリードしてくるので注意。また、マスメディアがしばしばガイガーカウンターを用いて放射線が検出されている事を報道する事があるが、ガイガーカウンターは感度を上げればほとんど人体に影響のない程度のごく微量な放射線にも反応するため、反応したかどうかよりもどの程度の放射線の量が検出されたかに注意を向けるべき。
放射能・・・放射線を出す能力。放射能を浴びたという表現は間違い
放射性物質・・・放射能を持った物質。これが塵となって大気に拡散し、肺に入ると厄介な事になる。当記事を投稿した現在では致命的な量の放射性物質の拡散は確認されていない。 原子炉事故の際、早急に清潔な着替えとシャワーを用意する必要があるのは、体に降り注いだ放射性物質をいち早く洗い流す必要があるため。
すくなくとも以上3点の放射線、放射能、放射性物質の使い分けが正しくできていない場合は信頼性が非常に低いソースであると判断できます。また、しばしばメルトダウンが発生しているという情報がありますが、起こっているのはメルトダウンではなく燃料棒溶融です。致命的な放射性物質の流出は起きていません。現場では原子力技術者が不眠不休で事態に当たっています。専門用語が飛び交い、なにやら恐ろしい事が起こっているかのような印象を与える場合もありますが、不容易に騒ぎ立てたり不安を伝播させたりしないよう、お願いします。
追記・タービン建屋が吹き飛んだ事で不安に感じられる方もいるかと思いますが、あくまで吹き飛んだのは建屋であって格納容器は無事です。格納容器は何重の壁に覆われており、格納容器そのものは無事であるためいまだ致命的な事故にはいたっておりません。
wikipediaはしばしば、間違う 爆発反応装甲編
2011年2月28日 軍事・政治 コメント (1) wikipedia、日本では通称wikiと呼ばれるインターネット上の百科事典。単純にwikiというとwikipediaのような誰でも編集できる方式の事を指したりもしますが、今回ではオンライン上の百科事典についてです。さて、wikipediaでは誰でも編集できるという特徴からそれぞれの知識を持ち寄り、結果読みやすく非常に便利で詳細な事典になり、多くの人が利用しています。反面、誰でも編集できるという事は悪意がなかろうと、間違った知識が反映されてしまうことが多々あります。これは編集した本人が自分が正しいと思い込んでいる間違った知識を持って編集を行った場合、当然それは間違った情報となってwikipediaに掲載されてしまうからです。軍事分野では特にその傾向が強い事で有名で、軍事に関してはwikipediaは日本語版はアテにならない、英語版を活用すべしという標語があるくらいです。元々間違った知識が流布しやすい軍事という分野であるが故に、当然wikipediaもその影響が濃く反映されてしまいます。
といった感じに、長い前置きを経て今回のテーマに入りたいと思います。
「wikipediaはしばしば、間違う 爆発反応装甲編」
爆発反応装甲。wikipediaで調べてみると冒頭にこのような解説がされています。
注目すべきは「簡単に言えば、装甲が内部から爆発する力によって、攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。」という箇所です。これは明らかに間違いです。後の概要では
と、しっかりメタルジェットの形成を阻害する、と書かれているのに冒頭では攻撃をはじき飛ばす、とちぐはぐな解説になっています。これは一体どういう事なのか、それはこちらを参照すればわかる事です。
こちらのpdfファイルは、防衛省で公開されているレポートで、防衛省のHPにあるサイト内検索で"反応装甲"と検索すればすぐに表示されます。図入りでわかりやすく解説されていますが、レポートを読むと反応装甲とは、前板と後板の間に挟んである爆薬シートが起爆する事により、飛翔方向の違う前板と後板が干渉する事によってメタルジェットの形成が乱されるとはっきりと書いてあります。すなわち、爆発反応装甲とは決して攻撃をはじき飛ばす事が目的ではなく、あくまでメタルジェットの形成を阻害し、その貫徹能力を下げる事にある事がわかります。防衛省のレポートと、誰が編集したのかわからないwikipediaの記述とどちらが信頼できる情報かは明らかです。それはこちらの画像からも判断できます。
こちらは日本語版wikiの項目T-80でも同様の画像が掲載されています。このT-80の前面装甲には横から見て「く」の字状に反応装甲が貼られている事がよくわかります。日本語版wikipediaの爆発反応装甲項目における冒頭の解説、"攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。"事が正しいのであれば、この「く」の字状に貼られた下側反応装甲が説明できないのです。下側の反応装甲にHEAT弾が命中した場合、その弾道が砲塔内部を直撃する事になるからです。そしてそのような無意味な貼り方をロシア陸軍がするわけがありません。これが防衛省のレポートにある、メタルジェットの形成を阻害するのが主目的であれば納得のいく話です。少なくとも"攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。"という日本語版wikipediaの冒頭の記述の方は間違いである事がわかります。
wikipediaとは非常に便利なツールではあるのですが、このように間違った知識を持った人が編集していた場合はその間違った知識のままの情報が掲載されてしまいます。wikipediaは大勢の人が閲覧し、編集しているのだから信頼性が高いと言う事は決してありえないのです。wikipediaは便利なので利用する分にはかまわないのですが、利用する際にはあらかじめ"誰が編集しているのかわからない、信頼性が不透明な情報"である事を念頭に置いておく必要があるのです。
余談ですが防衛省のレポート。この信頼性は極めて高いのですが、当初の検証方法では正しいと思われていた事がのちに間違いである事が判明するケースというのがあるので注意が必要です。もちろんこれは軍事という分野に限らず他分野でも多々あります。わかりやすいところではかつてアメリカで流行した拳銃用.45ACP弾でしょうか。これは当時の検証でストッピングパワーが非常に優れているともてはやされ、大流行しました。ところが後により科学的な検証により他銃弾とそれほど大差はないという事がわかっています。ストッピングパワーについての解説はこちら
したがってこの防衛省のレポート、これ以上になく非常に信頼性が高いソースなのですが後にこれが間違いである事が判明する可能性がゼロとは言い切れないのです。信頼性の高い知識を身につけたといって、それに慢心せずに新たな知識を貪欲に求めていく事も重要です。そうしないと間違いを笑っている自分がいつのまにか笑われていた、なんてことになりかねないのです。
といった感じに、長い前置きを経て今回のテーマに入りたいと思います。
「wikipediaはしばしば、間違う 爆発反応装甲編」
爆発反応装甲。wikipediaで調べてみると冒頭にこのような解説がされています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%88%86%E7%99%BA%E5%8F%8D%E5%BF%9C%E8%A3%85%E7%94%B2
爆発反応装甲(ばくはつはんのうそうこう、英: Explosive Reactive Armour , ERA)は、反応装甲 (Reactive Armour) の一種である。戦車などの補助装甲として使用される装甲板で、2枚の鋼板の間に爆発性の物質を挟んだ構造をしており、簡単に言えば、装甲が内部から爆発する力によって、攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。そのため、この装甲を備えた戦車の周囲に立っている味方の兵士を死傷させるなど、問題点が指摘されている。
※注・この記事は2011年2月28日現在に記載されている文章です。後に編集されている場合があります。
注目すべきは「簡単に言えば、装甲が内部から爆発する力によって、攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。」という箇所です。これは明らかに間違いです。後の概要では
金属製の箱の底に薄いシート状の爆薬が設置された構造になっており、被弾時に砲弾や成形炸薬弾がもたらす圧力に反応して、爆薬が起爆して表面側の金属板を高速で吹き飛ばし、側面から弾頭に衝突することでメタルジェットの形成を阻害し、内部への浸透を妨ぐ。この構造上、戦車の傾斜装甲などに対して30°程度の角度で着弾した際にもっとも効果を発揮し、垂直に当たった場合にはほぼ効果を得られない。
※注・この記事は2011年2月28日現在に記載されている文章です。後に編集されている場合があります。
と、しっかりメタルジェットの形成を阻害する、と書かれているのに冒頭では攻撃をはじき飛ばす、とちぐはぐな解説になっています。これは一体どういう事なのか、それはこちらを参照すればわかる事です。
反応装甲の技術について
http://www.mod.go.jp/trdi/research/G6/G6-2.pdf
こちらのpdfファイルは、防衛省で公開されているレポートで、防衛省のHPにあるサイト内検索で"反応装甲"と検索すればすぐに表示されます。図入りでわかりやすく解説されていますが、レポートを読むと反応装甲とは、前板と後板の間に挟んである爆薬シートが起爆する事により、飛翔方向の違う前板と後板が干渉する事によってメタルジェットの形成が乱されるとはっきりと書いてあります。すなわち、爆発反応装甲とは決して攻撃をはじき飛ばす事が目的ではなく、あくまでメタルジェットの形成を阻害し、その貫徹能力を下げる事にある事がわかります。防衛省のレポートと、誰が編集したのかわからないwikipediaの記述とどちらが信頼できる情報かは明らかです。それはこちらの画像からも判断できます。
英語版Wikipedia T-80 の項目より、パレードで行進するT-80
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/85/Victory_Day_Parade_2005-18.jpg
こちらは日本語版wikiの項目T-80でも同様の画像が掲載されています。このT-80の前面装甲には横から見て「く」の字状に反応装甲が貼られている事がよくわかります。日本語版wikipediaの爆発反応装甲項目における冒頭の解説、"攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。"事が正しいのであれば、この「く」の字状に貼られた下側反応装甲が説明できないのです。下側の反応装甲にHEAT弾が命中した場合、その弾道が砲塔内部を直撃する事になるからです。そしてそのような無意味な貼り方をロシア陸軍がするわけがありません。これが防衛省のレポートにある、メタルジェットの形成を阻害するのが主目的であれば納得のいく話です。少なくとも"攻撃をはじき飛ばすことで防御するものである。"という日本語版wikipediaの冒頭の記述の方は間違いである事がわかります。
wikipediaとは非常に便利なツールではあるのですが、このように間違った知識を持った人が編集していた場合はその間違った知識のままの情報が掲載されてしまいます。wikipediaは大勢の人が閲覧し、編集しているのだから信頼性が高いと言う事は決してありえないのです。wikipediaは便利なので利用する分にはかまわないのですが、利用する際にはあらかじめ"誰が編集しているのかわからない、信頼性が不透明な情報"である事を念頭に置いておく必要があるのです。
余談ですが防衛省のレポート。この信頼性は極めて高いのですが、当初の検証方法では正しいと思われていた事がのちに間違いである事が判明するケースというのがあるので注意が必要です。もちろんこれは軍事という分野に限らず他分野でも多々あります。わかりやすいところではかつてアメリカで流行した拳銃用.45ACP弾でしょうか。これは当時の検証でストッピングパワーが非常に優れているともてはやされ、大流行しました。ところが後により科学的な検証により他銃弾とそれほど大差はないという事がわかっています。ストッピングパワーについての解説はこちら
例によって軍事板常見問題様より
http://mltr.ganriki.net/faq09b01a03.html#10127
したがってこの防衛省のレポート、これ以上になく非常に信頼性が高いソースなのですが後にこれが間違いである事が判明する可能性がゼロとは言い切れないのです。信頼性の高い知識を身につけたといって、それに慢心せずに新たな知識を貪欲に求めていく事も重要です。そうしないと間違いを笑っている自分がいつのまにか笑われていた、なんてことになりかねないのです。
一方、ロシアは鉛筆を使った
2010年11月24日 にわか軍事オタクGallia君 コメント (2)※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい?」
一般人「うん?」
Gallia「アメリカのNASAが宇宙飛行士を宇宙へ送り出した時の話さ」
一般人「ふむふむ」
Gallia「この時、NASAは無重力状態ではボールペンが使えない事を発見したんだ。」
一般人「無重力だとボールペンが使えないんだね。」
Gallia「このままだとボールペンが使えない、ということでNASAは10年の歳月と120億ドルもの費用をかけてこの問題に取り組んだ。」
一般人「すごい費用がかかってるんだね・・・でも宇宙で字が書けないならなんとかしないとね。」
Gallia「でもその甲斐あって、宇宙空間どころか水中だろうとどこにでも書けるペンが出来た。」
一般人「問題は解決したんだね~」
Gallia「でも一方、ロシアでは鉛筆を使ってた」
一般人「ありゃ、なんだ最初から鉛筆を使ってればいいのか」
Gallia「コロンブスの卵みたいな話だけどね。10年と120億ドルを使っておいて鉛筆で済んだ話なんだ」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、今回の話もフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。上記の話はインターネット上で散見される、一方ロシアでは鉛筆を使った、と言われる話です。コロンブスの卵のような意味合いで解釈されていますが、当然ながら今回のGallia君も決定的な間違いを犯しています。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=772&bih=572&q=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AF%E9%89%9B%E7%AD%86%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=g1g-m1&aql=&oq=&gs_rfai=
上記のように検索してみるとわかることなのですが、今回の場合は幸いな事に検索をしてみるだけで割と簡単に真相にたどり着く事ができます。
こちら
http://history.nasa.gov/spacepen.html
記事の内容から、NASAの宇宙飛行士も最初の頃は鉛筆を使っていた事がわかります。ロシアでも後年、Fisher社のペンを採用しているようです。このように広く伝わる話と真相は違う場合が非常に多いのです。(これは現実の噂話でもインターネット上の話でも同じです。)ただし、インターネットには検索機能がありますので、その場で調べる事が可能です。上記のGallia君のような過ちをおかさぬよう、気になったことはまず検索して調べてみる、という事を心がけて置く事は非常に重要な事です。
登場人物
Gallia君:にわか軍事オタク
一般人:一般人、軍事知識は皆無
~とある部屋にて~
ゲームをしている二人
Gallia「そういえばこんな話を知っているかい?」
一般人「うん?」
Gallia「アメリカのNASAが宇宙飛行士を宇宙へ送り出した時の話さ」
一般人「ふむふむ」
Gallia「この時、NASAは無重力状態ではボールペンが使えない事を発見したんだ。」
一般人「無重力だとボールペンが使えないんだね。」
Gallia「このままだとボールペンが使えない、ということでNASAは10年の歳月と120億ドルもの費用をかけてこの問題に取り組んだ。」
一般人「すごい費用がかかってるんだね・・・でも宇宙で字が書けないならなんとかしないとね。」
Gallia「でもその甲斐あって、宇宙空間どころか水中だろうとどこにでも書けるペンが出来た。」
一般人「問題は解決したんだね~」
Gallia「でも一方、ロシアでは鉛筆を使ってた」
一般人「ありゃ、なんだ最初から鉛筆を使ってればいいのか」
Gallia「コロンブスの卵みたいな話だけどね。10年と120億ドルを使っておいて鉛筆で済んだ話なんだ」
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などには一切関係ありません。
・・・(´Д`)
さて、今回の話もフィクションです。実在のGallia君とは何ら関係がありません。上記の話はインターネット上で散見される、一方ロシアでは鉛筆を使った、と言われる話です。コロンブスの卵のような意味合いで解釈されていますが、当然ながら今回のGallia君も決定的な間違いを犯しています。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=772&bih=572&q=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AF%E9%89%9B%E7%AD%86%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=g1g-m1&aql=&oq=&gs_rfai=
上記のように検索してみるとわかることなのですが、今回の場合は幸いな事に検索をしてみるだけで割と簡単に真相にたどり着く事ができます。
こちら
http://history.nasa.gov/spacepen.html
記事の内容から、NASAの宇宙飛行士も最初の頃は鉛筆を使っていた事がわかります。ロシアでも後年、Fisher社のペンを採用しているようです。このように広く伝わる話と真相は違う場合が非常に多いのです。(これは現実の噂話でもインターネット上の話でも同じです。)ただし、インターネットには検索機能がありますので、その場で調べる事が可能です。上記のGallia君のような過ちをおかさぬよう、気になったことはまず検索して調べてみる、という事を心がけて置く事は非常に重要な事です。
日本の武器輸出の続報
2010年11月1日 軍事・政治 前回の日記で書いた日本の武器輸出ですが、リアリズムと防衛を学ぶの執筆者であるzyesuta様がこれに関係する記事の投稿がありました。
当Blogよりもよっぽど安全保障や軍事学に詳しい方ですので、非常に参考になるかと思います。いまや武器輸出制限緩和の是非は景気対策のみならず外交や安全保障に深く関わっている事がわかります。前回の記事にも書きましたが、週間オブイェクト様の長島昭久防衛大臣政務官の発言の是非を問う記事にあるように、それを判断する権限を持つ政治家が、きちんと理解していなければ日本の安全保障は非常に危うい事になりかねません。
なぜ今、武器輸出が必要なのか
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20101030/1288423043
当Blogよりもよっぽど安全保障や軍事学に詳しい方ですので、非常に参考になるかと思います。いまや武器輸出制限緩和の是非は景気対策のみならず外交や安全保障に深く関わっている事がわかります。前回の記事にも書きましたが、週間オブイェクト様の長島昭久防衛大臣政務官の発言の是非を問う記事にあるように、それを判断する権限を持つ政治家が、きちんと理解していなければ日本の安全保障は非常に危うい事になりかねません。